美しい人形を並べ、女の子の健やかな成長を願うひな祭り。
雛人形の細かな装飾や着物の柄などを見ていると、改めて日本文化の素晴らしさに感心してし
まいます。
年に一度の特別なイベントだからこそ、間違えることなくひな人形を並べてひな祭りを楽しみ
たいですよね!
3月3日までに正しい並べ方をマスターしてしまいましょう!
雛人形の正しい飾り方は?
そもそも雛人形の段飾りは平安時代の婚礼儀式を表したものです。
祝いの場には奇数が良いと言われているので、最も大きな雛段は7段となっています。
大きさが変わっても5段、3段と奇数で作るルールは変わりません。
今回は最も大きな7段飾りの場合を紹介していきます!
■一段目
ひな人形は上から飾り付けていくので、一段目とは一番上のことです。
一段目はもちろん主役の男雛と女雛を飾るのですが、関東と関西で左右が違うので注意が必要
です。
日本には昔から「左方上位」という左側(向かって右側)の方が位が高いという考え方があり
ました。
京都などがある関西ではその伝統を重んじて、今でも男雛を向かって右、女雛を向かって左に
配置します。
一方関東では西洋のルールを取り入れた現在の皇室と同じ考えを重視しているので、男雛を向
かって左、女雛を向かって右に配置します。
どちらが正しいということはないので、従いたい方のルールで並べましょう!
男雛と女雛の後ろに金屏風を立て、両端にはぼんぼり、二人の間にはお神酒の乗った三方(台
のようなもの)を置いたら一段目は完成です。
■二段目
三人官女を並べます。
三人官女は三方を持った人が座っていることが多いです。
これを真ん中に配置し、加銚子(くわえちょうし。お酒を注ぐ急須のようなもの)を持った人
を向かって左側、長柄銚子(ながえちょうし。持ち手の長い銚子)を持った人を向かって右側
に配置します。
三人官女の各間には高杯(たかつき。脚の付いた食器のようなもの)に餅を乗せたものを置き
ます。
■三段目
五人囃子を並べます。
一人だけ楽器ではなく扇子を持つ人がいますが、この人は謡いと呼ばれるいわばバンドのボー
カルに当たる人です。
この謡いを向かって右に置き、順に横笛・小鼓(こつづみ)・大鼓(おおつづみ)・太鼓を持
っている人を並べていきます。
向かって右から音の小さい順に並べる、と覚えておくと忘れにくいです!
■四段目
右大臣と左大臣を並べます。
この左右にちなんだ名前は男雛や女雛から見た場合なので、配置は向かって右に老人である左
大臣。
向かって左に若者である右大臣を置きます。
二人の間には二つの菱餅とそれを挟むように二つの白酒を置いて四段目は完成です。
■五段目
仕丁(しちょう)を並べます。
仕丁とは主に雑用を行う者で、向かって右から立傘(たてがさ。普通の傘)・沓台(くつだ
い。靴を置く台)・台傘(だいがさ。頭に被る傘)を持った人を並べます。
ちなみに上記は関東の仕丁が持っているもので、関西では向かって右から熊手・ちりとり、箒
を持ちます。
そして向かって右に桜、左に橘を置いたら五段目は完成です。
■六段目
小さめの雛道具を並べます。
茶の湯道具、箪笥、鏡台、火鉢などが含まれます。
■七段目
大き目の雛道具を並べます。
御駕篭(おかご)、重箱、御所車(ごしょぐるま)が含まれます。
雛人形を飾る向きは?
何か縁起の良い方角に置いた方がいいのかと思われがちですが、お雛様を飾る上で方角は関係
ありません。
好きな場所に置きましょう!
雛人形を飾る時期は?
大体2月からひな祭り当日である3月3日までが良いと言われています。
ひな祭り前日に飾り付けをすると一夜飾りと言ってお雛様に失礼なので避けましょう。
「お雛様を片付けるのが遅れるとお嫁に行けなくなる」という言い伝えがあるくらいなので、
3月3日が過ぎたら速やかに片づけましょうね!
雛人形はどこに飾る?
先ほども書きましたが、お雛様を飾る場所は自由です。
しかし直射日光に当てると着物などが日焼けしてしまったり、湿気がある場所に置くとカビが
生えてしまったりするので、人形が傷まない場所を選んで飾るのが良いでしょう!
終わりに
ひな祭りは日本の素晴らしい行事です。
お子さんにもすっかり並べ方を伝授して、ひな祭りの伝統を続けていきましょう!