小学生の約3割、中学生の約5割、高校生の約6割が裸眼視力「1.0未満」であり、その数が増え
ているいま、子供たちの視力低下は深刻な社会問題といえます。
子供の視力不良は、子ども自身が「見えていない」ことに気付きにくいので、発見が難しいと
されています。
一般的には年齢が若いと近視が進みやすいため、子供の視力不良には早めに対策を立てること
が大切です。
対策として注目されているのが、視力回復トレーニングです。
筋肉と同じようにトレーニングにより目を鍛えることで、視力低下を予防・改善できるといわ
れています。
今回は気軽に続けられる、自宅で簡単にできる視力回復トレーニングを紹介していきたいと覆
います。
子供の視力低下の原因は?
子供が視力低下しやすい原因は、優れた目の調節力にあると言われています。
視力不良をカバーするために調節力を酷使してしまい、その状態が続くことで目に大きな負担
がかかり、視力が低下します。
遺伝や遺伝子に起因するケースもありますが、生活環境が視力不良を招く大きな原因とされて
います。
眠る時の部屋の明るさが代表的な例です。
「寝室を真っ暗にして眠る人」と「昼間と同等の明るさで眠る人」を比べたところ、前者のほ
うが近視が少ないという実験結果が報告されています。
また、スマホやポータブルゲーム機の利用は小さな画面のなかで細かな動きを目で追うことに
なるので、目に疲労度が高まりよくないとされています。
子供でも自宅でできる視力回復トレーニング
トレーニング方法として「遠近体操法」と「遠近凝視法」があります。
「遠近体操法」のトレーニングでは「目のスクワット」があります。
遠近体操法やり方
1.右手の親指を立てて、顔から30~40cmのところに置く。
2.親指の爪に目のピントを合わせる。
3.部屋の最も遠くにある観葉植物やカレンダー、もしくは窓の外に見えるビルなどに目の
ピントを合わせる。
4.やり方の1.と2.を1日5分程度くり返す。
この目のスクワットは、メガネやコンタクトを着けたまま行ってよいトレーニングです。
「遠近凝視法」のトレーニングでは「数字を見分けるトレーニング」があります。
遠近凝視法やり方
1.壁にカレンダーをかける。
2.数字が見えにくくなる距離から、数字を見分ける。
大き過ぎるモノだと凝視せずとも見えてしまうので、凝視しないと見分けがつかないサイズで
行うとよいです。
この他に自宅ではできませんが、プロアスリートが続々実践している視力回復法として「ナン
バータッチ」という機械を使用したトレーニングなど、様々なトレーニングが存在します。
視力回復トレーニングで気を付けるべきこと
トレーニングによる回復には個人差があるということを理解しておきましょう。
視力回復のトレーニングを行うことで効果が出る人もいるのですが、全ての人にあてはまるわ
けではありません。
トレーニングでは視力回復が難しいという人もいるので、そのような場合はかかりつけの眼科
で診断してもらうようにしましょう。
また、ストレスや悪い姿勢といった悪い生活習慣も目に悪いとされているので、トレーニング
をする際もストレスのない範囲で正しい姿勢で行うようにしましょう。
終わりに
子供の目の健康を守ってあげるためにも、身近にいる親だからこそ気付ける「視力不良」のサ
インを見逃さないようにする必要があります。
その為に普段から予防が必要です。
外で遊ばせたりするのも効果的ですが、外に出れない場合は自宅での視力回復トレーニングが
役に立つと思います。
今回ご紹介したトレーニングは、簡単に実施できるものですので、是非子供と一緒にやってみ
ることをおすすめします。
トレーニング以外にも、ブルーベリーを食べたり、スマホやポータブルゲームの実施時間を調
節するといった予防法があります。
とはいえこれらは予防でしかないので、お子さんが「学校の視力検査で0.7未満と言われた」
「テレビを見る距離が近い」「遠くを見るときに目を細めている」といった視力低下の兆候が
表れた場合、早めに近くの眼科を受診しましょう。