会社を退職した場合、退職の理由を「自己都合退職」と「会社都合退職」の2つに分けることができます。
この2つのどちらに該当するかで、失業後にもらえる失業保険の額や給付期間に差がついてしまうから、どっちでもいいなんて無関心ではいられませんよ!
今回は、自己都合退職と会社都合退職の違いや、それぞれのメリットとデメリットを詳しく解説していきましょう。
自己都合退職とは
自己都合退職とは、名前の通り「自己」の都合で自ら希望して退職することです。
一般的に、退職する理由のほとんどが、こちらの自己都合退職になります。
さらに具体的な退職理由を挙げると、結婚や転居、病気療養や家族の介護、より待遇や条件のよい職場に移るための転職などです。
本来なら会社都合の退職なのに、会社の都合で自己都合退職とされる場合もありますが、ハローワークで会社都合と認められるケースもあります。
自己都合退職のメリット・デメリット
自己都合退職のメリットとデメリットについて説明します。
自己都合退職のメリット
・転職する際に、履歴書には退職理由を「一身上の都合」としておくだけでOK
・会社都合の退職とは違い、退職した理由を具体的に聞かれる可能性が低い
自己都合退職のデメリット
・失業保険の申請をしても、実際に支給を受けるまで3ヶ月の給付制限がある
・失業保険の額、支給期間ともに会社都合よりも少ない
・会社によっては退職金が減額される場合もある
再就職する際に面接であれこれ聞かれないのは良いのですが、失業保険がなかなかもらえなかったり、金額や給付期間が少なくなるのは、失業後の生活がより一層不安になるかもしれませんよね。
会社都合退職とは
自分自身の都合ではなく会社の都合で退職を余儀なくされる、これが会社都合退職です。
例えば、経営破綻や業績悪化でやむを得ずリストラされたり、会社移転のため通勤が困難のなった場合や、いじめや嫌がらせを受けるなど、ハラスメントがあった場合の退職も会社都合となります。
また、賃金が支払われなかったり、大幅に減額となった場合、生活していくことも困難となりますから、転職せざるを得なくなるでしょう。
この場合の退職も、自分の都合ではなく会社都合による退職となります。
しかし、懲戒処分を受けるなど自身に問題があり解雇や免職された場合は、会社都合ではなく自己都合退職扱いとなります。
会社都合退職のメリット・デメリット
会社都合退職のメリットとデメリットについて説明します。
会社都合退職のメリット
・失業保険の支給時期が自己都合よりも早い
・失業保険の支給期間が自己都合よりも長い
・失業保険の金額が自己都合よりも多い
会社都合退職のデメリット
・退職理由が会社都合の場合、採用を敬遠されることもある
・転職活動で、どのような経緯で会社都合退職になったのか聞かれることがある
失業保険に関しては、自己都合退職よりも得をするというイメージがありますが、再就職するための転職活動に、支障が出る可能性もあります。
失業保険について
失業保険は、失業給付金や失業手当とも呼ばれます。
退職前に勤務していた会社で雇用保険に加入しており、離職日からさかのぼって2年間の間に最低12ヶ月以上被保険者期間があったことが、給付金をもらえる条件となります。
もうひとつ、失業保険をもらうための条件があります。
それは、再就職の意思があるのに就職できない、「失業している状態」だと認められる必要があるということです。
次の就職がすでに決まっていたり、起業する準備ができていたり、再就職のための活動を行わない場合は失業保険をもらうことができません。
また、結婚して家事に専念したり、求職活動を先送りにして取りあえず休養するような場合も、失業はしていますが求職活動を行うわけではないので「失業している状態」とは認められません。
まとめ
退職理由には「自己都合退職」と、「会社都合退職」の2つがあります。
自己都合、会社都合のどちらもメリットとデメリットがあり、どちらが良いとは一概にいえません。
ただ、明らかに会社都合の退職なのに、自己都合退職にされてしまった場合は、退職してもすぐに失業保険をもらうことができなかったり、金額が少なくなり納得できませんよね。
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